新型コロナウイルス感染症へのリスクマネジメント計画
〇 研修実施における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止とリスク低減対策
策定:2020年3月27日
実施期間:2020年4月1日~終息までの当面の期間
〇参考資料
1. 目的
本リスクマネジメント計画の目的は、4月1日以降に必要な研修を実施するにあたり、事前に新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の感染と拡大防止のために、対策目標およびリスクの特定と具体的な感染と拡大防止策を構築し、関係者に広く共有するためのものである。
また、万が一事後に感染者が判明した場合に備え、拡大の低減、接触者の特定、緊急時の行動について事前に計画し、備えるものである。
2. 優先順位の明確化
研修を実施するにあたり、弊社が担保する要求品質のうち、優先順位を次の通りとする。
またこの優先順位に則って、弊社ファシリテーター、事務局、受講生は行動するように心がけ、弊社はいずれの品質に対しても一定レベルで達成できるように配慮し、運営を行う。
① COVID-19感染の防止
② 行動学習における安全の確保
③ 学習効果(学習目標の達成)
④ 参加者同士の相互理解
3. 対策目標
感染防止とリスク低減のための対策目標は、優先順位とともに次の通りである。
目標1:「水際対策」COVID-19の持ち込みを防止する
目標2:「感染防止」COVID-19の感染を防止する
目標3:「拡大防止」接触の限定と、接触者が特定できるようにする
3-1. 目標1:「水際対策」COVID-19の持ち込みを防止する
〇 持ち込む可能性のある対象と対策について
COVID-19を持ち込む可能性のある対象は、以下の5つを考慮する。
① ファシリテーター
② 事務局
③ 受講生
④ 関係者:ホテルなどの運営の協力者
⑤ 一般の方:ご利用者や近隣の住民など
〇対象別の対策
◇ ①ファシリテーター、② 事務局、③ 受講生のCOVID-19持ち込み防止対策について
A.検温
当日の朝、会場入り前に検温を行い、体温が
37度以上でないことの確認を行う。
また、
2週間前から体温の記録を行い、疑わしい兆候のあるものは欠席とする。
さらに、解熱剤の服用の有無もあわせて確認を行う。
B.健康状態の確認
具合の悪さ、強いだるさ(倦怠感)、息苦しさ(呼吸困難)がないかどうかの確認を行い、疑われる場合は欠席とする。
C.同居人の感染の確認
同居する者の感染が判明している場合は欠席とする。
D.欠席への抵抗感を下げる
無理を押して来ることを防止するため、欠席者を対象にフォローアップを行う機会提供を事前に計画し、周知しておく。
◇ ④関係者、⑤ 一般の方への対策
A.限定接触
基本的に検温などの確認を行うことができないので、接触者をファシリテーターまたは事務局のみに限定する。
受講生は気持ちの良い挨拶を心がけ、それ以外の接触は適切な距離を心がける。
3-2. 目標2:「感染防止」COVID-19の感染を防止する
〇 感染方法と感染経路、およびその対策
想定する感染方法は、飛沫感染、接触感染と考慮する。
空気感染は現時点で未確認ではあるが、配慮を行う。
〇 経路1:①ファシリテーター対③受講生
/ ①ファシリテーター対②事務局
/ ④関係者対①ファシリテーターおよび②事務局
/ ②事務局対③受講生
対策は次の通り
・ファシリテーター、事務局、受講生は、全員マスクを着用する(飛沫)
・積極的に手洗い、うがい、手指のアルコール消毒を行う(接触)
・咳エチケットの徹底(飛沫)
・ファシリテーターはマイクを使用し、唾液などのしぶきが飛ぶことを避ける(飛沫)
・ファシリテーターは必要以上の声を出さないように配慮する(飛沫)
・関係者とは一定の距離を置くことを心がける(飛沫)
・昼食時間に不特定多数が触れやすいものを消毒する(接触)
〇 経路2:③受講生間
対策は次の通りで、これらはオリエンテーション時に周知する
・声を出す機会を控え目にする(飛沫)
・物の貸し借りを防止する。具体例:個人専用マーカーなど(接触)
・飲食時のリスク低減(飛沫)
- 昼食は、集まって食べず、分散して食べる
- 飲料のペットボトルに氏名を書き、間違いを防ぐ
・事後の懇親会は中止を強く要請する
〇 経路3:③受講生と⑤一般の方
対策は次の通り
・往復の鉄道などでの移動は、混み合う時間・車両を避ける
- 通勤時間を避ける
- 先頭または最後尾の車両などを利用する
・当日移動の際での飲食の機会に注意する
〇 感染を避ける環境の構築体制
感染を避ける環境として、次の
3つの状況に配慮し、それぞれの回避対策を行う
A.密閉空間
B.密集場所
C.密接場面
また、アルコールの設置、マスクの交換、手洗いうがいなどの機会提供を行う
A.密閉空間の防止
・会議室などの施設内環境は、可能な限り換気を行う
・晴天の場合は、積極的に屋外を使用する
B.密集場所の防止
・グループを固定し、可能な限り小さい集団に分散させる
・大人数での会議室利用(密閉空間)の状態を避ける
・極力一定の間隔、具体的には手が届く距離を避ける
C.密接場面の防止
・肌や感染部位の露出を避ける
・具体策:課題中、マスクやニトリルゴム手袋の着用、事後は裏返し廃棄する
3-3. 目標3:「拡大防止」接触の限定と、接触者が特定できるようにする
〇 接触者の固定
・ファシリテーターは特定の受講者ごとに担当を受け持つ
・受講生のグループ分けを固定する
〇 事後
・1週間程度、継続的な検温記録と体調調査を行う
・万一の利用後の感染時に対して、参加者の連絡先を把握し管理体制を徹底する
〇 緊急時の行動
◇ 事前に発熱や体調不良が判明したとき
・事務局へ連絡し、自宅待機とする
◇ 実施中、具合が悪くなった時
・介助者は特定のファシリテーター、事務局とし、接触者を広げない
・事務局の指示のもと、帰宅させる
◇ 事後
・事後に体調不良が起こった時
・体調不良者との接触グループは待機とし、自治体の要請に従う
・関係者への連携
4. 感染防止のための準備備品
・アルコール消毒液
・アルコール綿(一定時間ごとの清掃用)
・ニトリルゴム手袋(
S、
M、
L)
・体温計
・防寒着(免疫力保持のため身体を冷やさない)
5. 時系列での感染防止対策の整理
〇 実施当日の朝
・検温
〇 往路
・混み合う車両を避ける(先頭や最後尾乗車)
・受講生はまとまって来ないようにする
・マスクを着用する
・飲食の機会注意
〇 会場入り
・体調の目視確認
・チェックリスト(体温、健康状態、同居人感染、解熱剤の服用)の実施
・手指のアルコール消毒
〇 オリエンテーション
・晴天時は屋外など密閉、密集場所を避けることのできる場所で行う
・リスクマネジメント計画の共有
〇 課題中
・密接場面をできるだけ避けるため、マスク、ニトリルゴム手袋などを着用する
・小集団に分け、グループは固定する
・屋外の積極的利用
〇 振り返り
・会場分散
・会場の換気
・マスクの着用
〇 昼食休憩
・集まって食べず、個人で食べる
・強制的な手洗い、うがい
・マスクの交換を行う
〇 解散
・混み合う車両を避ける
・懇親会の禁止
〇 事後
・継続的な検温と体調調査
6. その他
万一、① ファシリテーター、② 事務局、③ 受講生からCOVID-19感染者が発生した場合、関係者および自治体に目標3に掲げる特定と拡散防止のため、連絡先を個人情報保護法の範囲内で提示する場合がある。
以上